プロテニスもテレビ中継される事が当たり前になりましたよね~。観ていると、たまにゲーム画面のような映像が流れることがあります。そうです、ボールのインかアウトを判定するときのアレです。チャレンジシステムですね。
僕(もやこう)がテニス中継を見るようになったのは、約10年前なのですが既にこのチャレンジシステムが導入されていました。
最初はテニス中継も断片的にしか見ていなかったので、初めてこのの映像を見た時は、「プロテニスは全自動で判定しているのか・・・ハ、ハイテクな競技だなぁ。さすが貴族のスポーツだなぁ」と、えらい誤解をしていました(笑)
今日は、そんなハイテクなチャレンジシステムの仕組みやルール、さらにそれに続く疑問について解りやすく解説していきますね。
テニスに魅力を感じ、テレビ中継にも興味を持っているあなた!要チェックですよ!それではスタート。
そもそもチャレンジって何?
最初にプロテニスのチャレンジのおおまかな仕組みについてお話していきましょう。
プロテニスにおけるチャレンジを一言で表現すると、「審判の判定に対する再審のお願い」ですね。
審判はインorアウトの判定を目視で行っていますが、きわどいボールになるとなかなか正確な判定も難しいもの。時には間違った判定をしてしまう事もあるんです。
例えば、ライン上に乗ったボールなのに審判がアウトのコールをしたとしましょう。※ライン上に乗ったボールはインとなります
そんな時、選手は「今のはインでしょ?判定やり直してよ!」と再審をお願いすることができるんです。この事を「チャレンジする」といいます。
プレーは終わってしまったのでどうやって再審するのでしょうか?そこで登場するのが判定のCG映像。冒頭でもお話したとおり、ゲーム画面のような判定のCG映像が会場に流れ、インorアウトの判定を行います。
次のセクションからは技術的な仕組みやルールについて解説していきますね。
チャレンジシステムの技術的な仕組みとは?
では、プロテニスの「チャレンジシステム」の技術的な仕組みをご説明しましょう。
まず、ボールの軌道は、複数のカメラを用いて分析しています。カメラ1台だけの映像では1つの方向からの角度でしかボールをとらえることができないので、かなり誤差の多い分析になってしまいますよね。
自分のテニスのプレイを動画で撮影したことがあるのですが、実際はインだった(クレーコートだったのでボール跡で判る)時も動画をチェックしてみるとアウトっぽく映ってたりします。
で、テニスのチャレンジシステムでは10台のカメラを使用しており、それらがとらえた映像からボールの軌道を割り出すんですよ。その結果をCG映像として再現しているんです。CG映像を作製する時間は、なんと、2~3秒!
どうりで、選手からチャレンジ申請があった直後にCG映像が流れるわけです。10台もカメラを使っていれば、かなり正確なジャッジができるのではないでしょうか?
チャレンジのルールって?
基本ルール
ところで、チャレンジのルールってどうなっているんでしょう?大きく分けるとこんな感じ。
- チャレンジ権利はワンセットで3回まで(但し、次セットに繰り越し不可)
- 「チャレンジ失敗」であれば権利が1回減る
- 「チャレンジ成功」であれば権利は減らない
- タイブレークになった場合は権利が1回増える
- 最終セットでは12ゲームごとに権利がリセットされる
チャレンジ権利はいつ使える?
では、どんな時にチャレンジ権利を使うのでしょう?
それは、先ほども少し触れましたが審判の判定に納得できなかった時に、再判定をお願いする形で使われます。
例えば、「アウト」の判定を審判が下した場合、その判定に納得できなかったとして、「今のはインじゃないの?チャレンジします!」という流れですね。
チャレンジ権利を使うとどうなる?
チャレンジ権利が使われると、先ほど説明した「チャレンジシステム」によってインorアウトの判定が行われます。
これにより審判の下した判定がくつがえり正しい判定が下されるのですね。
もちろん、チャレンジシステムの判定が、審判の下した判定と同じになることもありますよ。
やり直しになる場合もある
珍しいパターンとして、チャレンジシステムの判定の後で「やり直し」になることもあるんです。なぜなら、審判の判定コールによってプレイが止まってしまうから。
例えば、審判がアウトのコールを行ったとしましょう。その判定に「今のはインでしょ!」とチャレンジ権利を使った結果「イン」になりました。
審判の「アウト」のコールがなければ、相手選手は普通に返球してプレイが続行していたかもしれません。
そんな場合は、サーブから「やり直し」になるんですね。「やり直し」は、相手選手が明らかに返球できる位置にいて、返球できる可能性が認められた場合になります。
チャレンジシステムの疑問いろいろ!
クレーコートでは使われていない?
テニスコートにはハードコート・ローンコート・クレーコートなどがありますが、クレーコートではチャレンジシステムが導入されていません。なぜなら、クレーコートは土で出来ていて、ボールの跡が残るからなんですね。
僕もクレーコートでテニスをする事がありますが、確かにボール跡がハッキリ残るので、アウトとインの判定がし易いです。また、ボールがライン上に乗った場合も、ボールによりライン上の土が取れて綺麗になるので「オンライン」の判定もかなり判り易いですよ。
ちなみに、経験上、ハードコートでもコートによってはボール跡の付きやすいコートはありますね。特に、比較的古くなったハードコートですとその傾向が強いです(゚∀゚)
日本の企業が開発したの?
ところで、チャレンジシステムの仕組みは日本の企業が開発したと思っている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実はイギリスのホーク・アイ・イノベーションズ社という会社のものなんですよ。
なぜ日本の企業が開発したと思われているのかというと、実は日本のソニーがこの会社を2011年に買収したのが理由かと思われます。
世界的にみても高い技術力を誇る日本企業の事ですので、もしかしたら、このチャレンジシステムの仕組みを上回る技術を、本当に日本企業が開発する日が来るかもしれませんね!
他の競技でも使っているの?
チャレンジシステムは、テニスのイメージが強いかと思いますが、なんと、クリケット・バレーボール・バドミントンでも採用されています。
なお、クリケットに関しては、初めてこのシステムが採用された競技なんですよ。実はテニスよりもクリケットの方が先だったんですね。
それもそのはずで、クリケットは世界的にみても競技人口が多く1億数千万人にも上ると言われています。意外な事に、この数字はテニスの競技人口よりも少し多いんです。
審判不要になるの?
チャレンジシステムは、すぐに判定も出るし、かなり正確な判定と言われています。
であるならば、全て「チャレンジシステム」の仕組みを使い、審判不要でいいんじゃないの?と思われるかもしれません。
しかしながら、この仕組みにはかなりの費用がかかるそうで、審判不要になるのは現実的に厳しいんですね。
見た目にも、審判がいない試合なんて、なんとなく恰好が付かない気がします。
さいごに
チャレンジシステムの仕組みやルールについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
まとめますと、
プロテニスにおけるチャレンジを一言で表現すると、「審判の判定に対する再審のお願い」。
チャレンジシステムの技術的な仕組みは、10台のカメラがとらえた映像をCGにしてボールのインorアウトを判定している。
基本ルールの概要はこんな感じ↓
- チャレンジ権利はワンセットで3回まで(但し、次セットに繰り越し不可)
- 「チャレンジ失敗」であれば権利が1回減る
- 「チャレンジ成功」であれば権利は減らない
- タイブレークになった場合は権利が1回増える
- 最終セットでは12ゲームごとに権利がリセットされる
普段の生活でも暮らしはどんどんハイテクになってきていますが、スポーツの世界も同じで設備がどんどん進化しているのが分かりますね。
というわけで、プロテニスを観戦する時は、是非チャレンジシステムについても注目してみてくださいね。
また、テニスの魅力についてはコチラの記事に書いていますので、是非読んでみて下さい!
以上、「テニスのチャレンジの仕組み!テニス好きがとことん解りやすく解説」でした。
WRITTER :もやこう